2022年12月21日

その他

新たなシナジーを狙う
連結子会社の全貌

㈱リベルタは2022年4月1日、1976 年の創業以来、浄水器、医療機器、生活雑貨、歯ブラシ及び除菌装置など様々なジャンルの高品質な商品の企画・製造・販売を事業とし、1976年の創業以来安定的に成長を続けてきた、ファミリー・サービス・エイコー株式会社(以下、エイコー)を連結子会社とすることを発表しました。
(エイコー:https://fs-eiko.co.jp/

それぞれの強みを生かした協業とはどのようなものなのか、子会社となったエイコーの新社長である石田代表取締役と、長年エイコーで大黒柱として活躍されてきた小川専務にお話を伺いました。

  • インタビュアー

    まず、リベルタとしてはどのような経緯と戦略から、ファミリー・サービス・エイコー株式会社を子会社化することになったのでしょうか。

  • 石田社長

    ある時リベルタの佐藤社長とこんな話をしていたことがあったんです。水道水をそのまま飲めればコストもかからないしゴミも出ない、世界的にもミネラルウォーターの値段が上がってきているから、水道水がいつでも飲める環境だったらいいよねと。ちょうどそんな時期、浄水器で大きな業績をあげているエイコーとの話があって魅力を感じたんです。

     

    また、エイコーには生協流通があるんですね。リベルタは通販・国内販路・海外販路等多くの流通を持っていますが生協は持っていなかったんです。卸業者を通してリベルタも生協への販売を行っていますが、エイコーはほとんどの日本全国の生協と直接取引しているのを知り、リベルタの化粧品や日用雑貨品がエイコーと組むことができれば大きなシナジーが生まれるんじゃないかと思ったんですよね。

     

    リベルタも様々な商品カテゴリーを取扱っている会社ですが、エイコーの魅力としては医療機器や医療用具の製造販売の認可を持ち製品を扱ってきたという点もあります。医療用具の製造という大きな強みを持っているので、リベルタの持つ豊富な販路を活かして、日本だけじゃなく世界に向けて広げていけたらと思ったんです。

  • 小川専務

    私は、実は以前リベルタにいた企画の方と5、6年前に知り合っていたことがあったんです。当時の営業マンから色々聞いたのですが、リベルタの評価がすごく高くて、企画が上手な会社だという評判でした。

     

    M&Aについては、これはリベルタとは合うなと感じました。同じような企業体質を持っていて、技術志向というよりはメーカー志向をとっている点ですね。仕組みとして会社が成り立っているので、他社には一番真似されにくいかなと思います。

  • 石田社長

    実は私のリベルタ時代の名刺が既にエイコーにあったんですよ。昔何かの展示会で名刺交換をしていたんだと思います。面白い会社だと思って名刺交換をしたんでしょうね。すごくそういう点で縁を感じました。

  • インタビュアー

    4月にリベルタの子会社となり、半年経ってみて今はどのような感じでしょうか。

  • 石田社長

    数か月経ってみると多少思っていたのと違うことはありますが、描いていたことを一個ずつ進めているという感じですね。手ごたえはすごく感じています。リベルタ向けの商品を小川専務中心に色々着手しはじめていて、年数はかかるかもしれませんが、デザインや販売方法、リブランディングなど時代に合わせて変えていけるようにと思っています。すごくワクワクして楽しみですね。

  • インタビュアー

    小川専務は商品企画をずっと行われてきたんでしょうか。

  • 小川専務

    私は22年間、ビジネス人生の半分はこの会社にいますが、一番初めは商品企画にメインで携わっていて、浄水器のデザインなどを手掛けていました。もともと大学でもプロダクトデザインを学んでいたんです。企画やものづくりが好きなので、【ものづくりが好き】そこが前社長とすごく合った点だと思います。

     

    引き出しだけはたくさんあるつもりなので、リベルタともシナジーの中で新しい組み合わせが可能だと思っています。もう35年程前ですがグッドデザイン賞を一回獲ったこともあるんですよ。過去の財産はすべて無駄じゃないはずなので、今回いただいた大きなチャンスを活かしていきたいと思いますね。

  • インタビュアー

    石田社長になってからはいかがでしょう。

  • 小川専務

    石田社長は挨拶をすごくしてくれるイメージです。別室にいる社員にもすごく低姿勢で挨拶されるんです。社員の評価はいいと思いますよ。

     

    雰囲気もすごくよくなったと思いますね。会社の中の発言も今までより活発になったんじゃないでしょうか。特に企画でリベルタと絡む部門というのは活性化しているように思いますね、今までの業務にプラスオンしているけど抵抗なく受け入れている感じです。リベルタと接しない部門に関しては、時間差はあるかもれしれませんがきっと納得してもらえるはずだと思いますので年末に社員満足度調査をやってみる予定です。抵抗を言う人はいませんが、前社長は厳しくもありカリスマ性もあったので、新しい石田社長の時代に切り換えなきゃいけないという点では、葛藤も多少あるかもしれません。期待もあるけど不安もあって当然ですよね。

  • インタビュアー

    今後石田社長に期待している事はありますか。

  • 小川専務

    石田社長はすごく細かい所まで気遣ってくれてすごくありがたいですね。リベルタは活発に社員同士で話し合いをするイメージですが、その文化がまだエイコーにはなく、黙々と与えられたことをやって専門的なことをそつなくこなすという文化なので、新しいものを生み出すということはまだ弱い部分だと思います。リベルタにはそういう文化が根付いているので、石田社長にはそのいい文化をエイコーに伝えていただく事で大きなステップになればいいかなと思います。

  • インタビュアー

    エイコーには多岐にわたるカテゴリー商品がある理由はなんでしょう?

  • 小川専務

    創業社長の【くさらない・リピートがある・ブランド力がいらない】というコンセプトからはじまったんです。それを突き詰めた時にまず【軍足】に行き当たったんですよ。今ある商品につながっているのはまさにそのコンセプトなんです。浄水器もリピート品ですしね。長野って健康県ならではで、ぴんころ(ぴんぴんしていていきなりコロっと逝く)が幸せというんですが寿命はそこまで長くないんです。だから、自分の足で歩いて、自分の口で食べて、というところを大切に、健康をサポートできるような商品を幅広く扱っているんですね。靴下もそもそもは足の保護ですよね。歯ブラシも浄水器も全て健康につながってるんです。それがキーワードなんじゃないかなと思います。

  • インタビュアー

    これから期待してほしい点はありますか。

  • 小川専務

    浄水器とソックス販売ですね。色々な大手ソックスメーカーとお付き合いがありますが、エイコーが定めるクオリティの条件をクリアしているソックスメーカーって実は非常に少ないんです。つまり、品質だけではなく納期の対応力などを重要視しています。製品の良さだけじゃ勝負できないんです。
    また、浄水器については、リベルタと組むことで、機能やデザインも見直すことができると思いますし、国内店舗や海外流通など、豊富な販路にひろげて多くの人の為になったらいいなと思いますね。

  • 小川専務

    また、ニュースにもなったのですが、新しい医療用具である真空成形型式副木「ボディーフィックス・スプリント」が先日誕生しました。こういった製品のアイデアを実現できる企業がないかと、消防の方が行政に相談されていたんです。そこからお話をいただき設計開発を行い誕生した器具で、今後長野県の救急車に導入されることが決定しました。

     

    事故で骨折したり出血したりした時の医療用具って、大きくて扱いにくいものが多く、日本人の体形に合ったものがこれまでなかったようなんです。患部を巻くために痛い足をあげないといけず、患者さん自身も痛いし救急隊の人も大変。それが一回で簡単にできるという画期的な医療用具なんです。専用のガーゼに足を差し込んでエアーを入れると、固定されて板状になります。普通だったら加圧して締め付ける発想になるかと思いますが、それだと出血している場合、ますます出血してしまうんですよね。これは周りが固くなるけど患部には圧迫がなく、理にかなっているやり方なんです。

  • 小川専務

    救命救急の方に話を聞き設計開発をしたのですが、ベッドに寝て体験してもらったりと試作を3、4回重ねて10か月程度で完成しました。病院流通などこれから広がっていく予定です。

     

    医療用具の製造販売は業務許可とるのも難しいし、それを維持するのが大変なんですよね。会社入口に証書がたくさんありますが、意匠や特許なども多く所有しているんですよ。

  • 小川専務

    今後は大学や公共機関などとタッグを組んで、長野発の様々な企画を増やせていけたらと思っています。

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